2013/04/08

歩禅の記(19)

                     ~老夫婦の貴重な「対話の時間」~

 花散らしの強風が今朝もまだ顕在でした。

 すっかり花を落とした桜並木が心なしか未練がましく見えたのは「観る人」の思いを代弁していたのでしょうね。老妻が「今日から学校ね」と喋りかけました。現職の日々の夫も「学校に行く」リズムでしたので、この表現は『区切り』の常套表現でした。老妻の言葉は、「今日から孫(長男)が小学校最後の1年間の学校生活が始まるのね」の意味だという事は直ぐにわかりました。

 長男孫が小学校を卒業すると末の孫が入学します。我が家にとって最後の小学校6年間が始まります。孫の面倒を看ることで同居を依頼されて転居した祖父ちゃん祖母ちゃんですから、最後の任期となります(笑)。当面の目標は任期を全うすることです。

 「今日明日は、昼食の準備が要るんですよね」と自らに言い聞かせるように老妻が言葉を発します。「よろしくお願いしますよ」と他人事のような返事を夫が発します。意味の無い会話のようですが、「意味は無くても意義はある」老夫妻の会話なのです。狭い部屋に爺婆二人だけで顔を突き合わせていると「意味の無い会話」すら表出しないのです。つまり、「話すことなんて無いよ」の二人住まいなのです。

 早朝の歩禅。

 それは意味の無い会話を再現できる貴重な時間として意識しています。僅か60分間に交わす意味の無い会話が、互いの老脳に「ささやかな刺激」を与えあうのです。前を向いたまま顔を突き合わせて展開する会話で無いところも良いモノです。

 林の向こうから出ずる朝陽と湖岸に咲く水仙と筑波山の風景写真を添付します。こんな空気の中の散歩を今日も済ませました。

平成25年度の『祖父母による孫のための委託業務』の開始であります。!!

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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