~久し振りの「一気に1万歩」~
意気込んで出発したのは午前9時半。妻には二件の用務があった。途中の郵便局で現金封筒を送ってから大手大型スーパーの本屋さんまで行く行程を計画したようだ。夫は明日からの京都行きのためのチケットを購入しなければならない。雨も降ってきそうだったので午前中には用務を済ませたかった。
皮肉なモノ。郵便局からスーパーまでは何とか傘の必要性も感じなかったが、駅への移動の時点からパラパラと降り出した。用意周到な妻はリュックに二本の傘を入れていてくれた。傘を差すほどの雨脚の中を茅ヶ崎駅・みどりの窓口へ向かった。
茅ヶ崎駅~(京都)西舞鶴駅の往復乗車券と、新幹線と在来線の特急券を購入した。自動券売機では(複雑な作業が必要で)操作ができないので窓口購入となってしまう。
購入して駅から出ても雨脚は弱まっていない。路線バスの発車時刻までには15分もある。
「よし、歩こう」と夫婦の目線が一致した。歩き出した途端に(気のせいか)強く降り出したようだった。引き返して「やっぱりバスにしようか」と声を掛ける夫に、妻はさらりと「家に帰るんだから濡れても良いんじゃない?」とさっきより歩調を上げて歩き出している。
負けてはなるまい、と夫も追いつく。傘を差して雨の中の歩禅を楽しみながら(?)帰宅した。直線に歩けば8000歩程度の距離。用務を済ませるために回り道になったので、久し振りの「一気の1万歩」の歩禅となった。11時半の帰宅直前に雨も止んでしまった(笑)。
◆この写真は6月半ばに撮影したモノです。本日の撮影ではありませんので悪しからず!今日はこんな良い天気では御座いませんでした。なお、この駅舎は「南口」で、「サザン通り」や「加山雄三通り」「茅ヶ崎海岸」への通用口です。
歩禅とは、『安岡正篤 人生を拓く』(神渡良平 著 講談社+α新書)で拾った言霊です。千葉県で早朝ウォーキングを長年実践しておられる方の言葉として紹介されていました。沈思黙考の「坐禅」に呼応するものだそうです。ふと読み留まったのは我が愚脳にも大きな電撃が走ったからなのです。歩きながら自然界に身を委ね、自然界に畏敬の念を抱き、そして自然界に語りかけることのできる自分を見いだすこと。これを「歩禅」と利己的に理解しました。坐禅が苦手な私には「静かに座して己と語る」ことに替わるべく言葉として受容できる気になったのです。だから私には単なる言葉としてではなく、『言霊』(ことだま)となったのです。 平成16(2004)年10月20日 還暦に記す ~以降「散歩日記」を歩禅記として継続発信中~
自己紹介
- 角田明
- 1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。
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